NISAを始めたのは、50歳を過ぎてからです。
先に結論を書きます。NISAを知らなかったわけではありません。 証券会社から案内が届いていて、存在はずっと知っていました。それでも始められなかった理由は、何なのか全くわからなくて、わからないまま手を出すのが怖かったからです。
そして、ようやく始めたあとにも、最初に勘違いをしました。「とにかく分散しなきゃ」と思って、いろんな商品を積み立てていたんです。自分が持っていたオルカンが、それ1本ですでに分散されているものだと知らないまま。
今は、積立の設定をして、あとは放っておいています。 最初に決めたルールはひとつだけ。最低15年は、相場が下がっても上がっても、積み立て続ける。引き出さない。
NISAの仕組みを説明する記事ではありません。難しくて気が引けていた私が、どうやって始めて、どこでつまずいたかの記録です。
NISAの案内は、ずっと届いていました
私は、証券口座をもともと持っていました。
10年くらい前、株主優待券が目当てで株を持っていた時期があります。 そのときに、証券口座をいくつか開いていました。
だから、NISAの案内も届いていました。名前は知っていたし、なんとなく「得をする制度らしい」ということもわかっていました。
でも、実際には何もしていませんでした。
理由は単純です。NISAが何なのか、はっきり言って全くわかりませんでした。 調べようとすると難しい言葉ばかりで、勉強しようにも気が引けていました。
そして、わからないなりに「リスクがある」ということだけは、なんとなくわかっていました。
中身はわからない。でも損をするかもしれないことだけはわかる。この組み合わせが、一番怖かったんだと思います。理解するまでは怖くて、理解するところまでたどり着けない。そうやって、ずっと手をつけずにいました。
ちなみに、このとき開いた証券口座のひとつは、家計を見えるようにしたときに「こんなところにお金が入っていたのか」と見つかった口座です。その話はこちらに書いています。
重い腰が上がったのは、身近な人が「やっている」と言ったから
きっかけは、いくつか重なりました。
ひとつは、知り合いから直接「やっている」と聞いたこと。 案内のハガキやニュースで見るのと、身近な人の口から聞くのとでは、まったく違いました。自分と同じ普通の人がやっているんだ、と思えたんです。
もうひとつは、世間でNISAが広く知られ始めて、話題になってきたこと。 周りでも名前を聞く機会が増えて、「私だけ知らないままでいいのかな」という気持ちが出てきました。
そして一番大きかったのは、友人の存在です。
保険を見直すきっかけをくれたのと同じ友人です。その友人から教わった考え方がなければ、私はたぶん今もNISAの案内を開かずに置いていたと思います。
保険を見直したときの話は、こちらに書いています。
最初にやったのは、YouTubeと検索でした
腰を上げてから最初にやったのは、YouTubeを見ることでした。
まず動画で、NISAがどういうものかをざっくり見ました。そのあと、検索してNISAの記事も読み、本も読みました。
ただ正直に書くと、見ても読んでも、腹落ちするまでにはかなり時間がかかりました。
言葉の意味はなんとなくわかる。でも、自分のお金をそこに入れていいと思えるほどには、わかっていない。その状態がしばらく続きました。
もうひとつ、やってみてわかったことがあります。理解したと思っても、しばらく触らないと忘れているんです。
調べていたのは、時間があるときは常に、でした。電車の中ではスマホで記事を読み、家ではYouTubeや本。働いていると、まとまった時間はなかなか取れません。だから隙間の時間に少しずつ。でも少し間が空くと、せっかくわかったはずのことが抜けていきます。
だから私は、時間があるときに、とにかく口座の画面を開いて触るようにしました。一度に全部を理解しようとするより、何度も開いて触るほうが、ずっと慣れました。
最初の勘違い:「分散」を、本数を増やすことだと思っていました
ここが、この記事で一番書きたかったところです。
動画や記事を見ていると、何度も出てくる言葉がありました。「分散」です。ひとつに集中させず、分けて持つことでリスクを抑える。そういう話でした。
それを聞いた私は、こう考えました。
「じゃあ、いろんな商品を積み立てればいいんだ」
それで、いろんな投資信託を買っていた時期があります。 楽天証券の画面で、おすすめのように紹介されていた商品も買いました。ひとつに絞るのは怖い。だから、たくさん持てば安心だろうと。
でも、あとから知りました。私が持っていたオルカンは、それ1本の中ですでに分散されているものでした。
つまり私は、分散されているものを、さらに分散させようとしていたんです。そもそも私は、インデックス投資というもの自体を知りませんでした。
気づいたときに、それ以外の商品は売って、オルカンとS&P500の2本だけにしました。
この違いは、正直しばらく腹落ちしませんでした。オルカンやS&P500の中身が何なのか、そこまで考えなかった自分が、本当にバカだったと思っています。
でも、同じところでつまずく人は、きっと少なくないと思います。難しくて気が引けている人ほど、「分散しなさい」という言葉だけを持ち帰りやすい。 中身を調べるのは怖いけれど、本数を増やすのは簡単だからです。
今積み立てているのは、この2本だけです。S&P500のほうにも理由はありますが、すごい理由があるわけではありません。
どの商品を選ぶのがいいかは、私にはわかりません。ここに書けるのは、「中身を知らないまま、本数だけ増やそうとしていた」という私の失敗だけです。
口座は、スマホで開けました
実際にNISAを始めた口座は、楽天証券です。
ここで少し笑ってしまう話があります。
10年前に株主優待のために開いた口座の中に、SBI証券がありました。
今ならわかるのは、どこの証券会社で取引するかが、とても大切だということです。手数料などの条件は、証券会社によってかなり違います。中には、使う側にとって不利に感じる条件のところもある、というのが調べてみての私の実感です。
そのうえで、私が調べた範囲では、楽天証券とSBI証券以外に、選ぶ理由が見つかりませんでした。
でも10年前の私は、そんなことを全く知りませんでした。知らなかったのに、なぜかSBI証券を選んでいた自分を、今は褒めたいと思っています。
だから、そのSBI証券で始めてもよかったんです。
それでも楽天証券にしたのは、友人と同じ証券会社のほうが、相談しやすかったからです。
画面の場所がわからない。この表示が何を意味しているのかわからない。そういうときに「同じ画面を見ている人」に聞けるのは、わからないことだらけの私にはとても大きかったです。
口座の開設は、スマホでできました。 楽天銀行を開設するときに、一緒に開きました。思っていたほど難しくはありませんでした。
これは、私にとって地味にありがたいことでした。口座やカードを解約したときも、保険を解約したときも、壁になったのは「窓口が開いている時間」でした。 窓口が開いているのは、たいてい私が働いている時間です。NISAの口座開設は、そこと戦わなくてよかった。 空いた時間に、スマホで進められました。
一番厄介だったのは、パスワードでした
手続きそのものより、困ったことがありました。パスワードです。
証券口座、銀行口座。ログインするものが増えるたびに、パスワードも増えます。
- 覚えていられない
- メモに残しておくのは不安
- かといって簡単なパスワードにするのは心配
どれを選んでも落ち着きませんでした。お金が入っている口座のパスワードなので、なおさらです。
ちょうど同じ時期に、友人からパスワード管理アプリを教えてもらいました。それからは、この悩みはかなり軽くなりました。
NISAを始めるとき、制度のことばかり調べていましたが、実際に手が止まりやすいのはこういう細かいところでした。
最初に決めたのは、「15年は引き出さない」でした
積立を始めるときに、ひとつだけルールを決めました。
最低15年は、相場が下がっても上がっても、積み立て続ける。引き出さない。
私は、わからないことだらけで始めました。だからこそ、途中で「わからないまま判断する」場面を作りたくなかったんです。下がったから売る、上がったから売る。そういう判断ができるほど、私は詳しくありません。
だったら、最初に決めて、あとは判断しない。 それが一番いいと思いました。
一度腹落ちしてしまえば、積立の設定をして、本当に放っておくのが一番です。
やってみて、長期で積み立てて放っておくやり方は、私に合っていると感じています。働いていると、相場を毎日追いかける時間はありません。見なくていい仕組みにしてしまえば、仕事とお金のことを頭の中で並べなくて済みます。
ちなみに、家計簿アプリには証券口座も連携していますが、一喜一憂しないように、普段は見えないように設定しています。 15年触らないと決めたものを、毎日眺める必要はないからです。
アプリの設定は、こちらに書いています。
最初は少ない額から始めました。家計を見ながら、少しずつ積立額を増やしてきて、今はもう少し増やそうかと考えています。
もっと早く始めていれば、とは思います
正直に書くと、もっと早く始めていれば、本当に人生が変わっていたと思っています。
ただ、私が若い頃には、まだこの制度自体がありませんでした。だから、そこは仕方がないと思っています。
積立は、期間が長いほど安心だと私は感じています。30年あれば、本当に安心です。
実は私、30年積み立てる形のものを、すでに一度やっていました。 貯蓄型の保険です。毎月決まった額を、30年払い続ける設計でした。
同じ「長く積み立てる」でも、何に積み立てるかを、私は知らないまま選んでいました。知らなかったことは後悔しています。でも、それを今言っても仕方がありません。 50代から始めて、15年は続ける。今の私にできるのは、そこからです。
職場では、あまり熱く話さないようにしています
職場の同僚とも、なんとなくお金の話になることはあります。NISAの話が出ることもあります。
でも、あまり熱くならないようにしています。
熱く語ると、引かれそうだからです。
私自身、身近な人が「やっている」と言ったのがきっかけで動きました。だから、話すこと自体に意味はあると思っています。ただ、勧めるのと、やっていると話すのは違う。私は後者にとどめています。
子どもたちには、少しずつ話しています
成人した子どもが2人います。 2人には、NISAの積立を始めさせました。
ただ、仕組みを一気に説明することはしていません。少しずつ話しています。
お金についての実感や経験がないうちは、話してもピンとこないと思うからです。私自身、案内が届いていても、ずっと「自分の話」だと思えませんでした。わかるのは、自分のお金が動いたときからです。
だから今は、積立だけ先に始めてもらって、話は少しずつ。 私が50代まで持てなかった時間を、2人には持っていてほしいと思っています。
まとめ:怖かったのは、わからなかったからでした
長くなったのでまとめます。
- NISAを始めたのは50歳を過ぎてからです。案内は届いていて、存在も知っていました
- 始められなかった理由は、何なのか全くわからず、リスクがあることだけはわかっていたから。理解するまでは怖くて、勉強しようにも気が引けていました
- 動けたのは、身近な人が「やっている」と言ったこと、世間で話題になったこと、そして友人の存在でした
- 調べたのは電車の中のスマホ、家でYouTubeや本。時間があれば常に、でした。それでも腹落ちするまでには時間がかかり、しばらく触らないと忘れていました。時間があるときに画面を開いて触るのが一番慣れました
- 最初の勘違いは、「分散」を本数を増やすことだと思っていたこと。インデックス投資自体を知らず、おすすめに出ていた商品も買っていました。気づいて売り、オルカンとS&P500の2本だけにしました
- 口座は楽天証券。10年前に開いたSBI証券もありましたが、友人と同じほうが相談しやすかったからです。開設はスマホで済み、窓口の時間と戦わなくてよかった
- 地味に一番厄介だったのはパスワードでした
- 決めたルールは「最低15年は、下がっても上がっても積み立て続ける。引き出さない」。設定したら放っておく。長期で放っておくやり方が、私には合っています
- 職場では熱く語らない。子どもたちには積立だけ先に始めさせて、話は少しずつ
保険をやめて、口座とカードを整理して、家計を見えるようにして。その最後にたどり着いたのがNISAでした。
振り返ると、順番に意味があったと思います。家計が見えていなかったら、積み立てに回すお金がどこにあるのかもわからなかったからです。
家計を「見える」状態にするところから始めた話は、こちらに書いています。
→ 家計簿が続かない人へ。何冊も買って挫折した私が、書くのをやめたら把握できた話
私が「どう働きたいか」を決めるまでの話は、こちらです。
※この記事は、私自身が実際にやってきたことの記録です。投資には元本割れのリスクがあります。 どの商品・どの金融機関が合うかは、年齢・収入・家計の状況によってまったく変わります。私は専門家ではありませんので、特定の商品や金融機関をおすすめするものではありません。始めるかどうか、何を選ぶかは、ご自身で確認のうえご判断ください。


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