家計を把握できるようになったあと、私が最初にやったのは減らす作業でした。
使っていない銀行口座を解約する。使っていないクレジットカードを解約する。文字にすると2行で終わる話です。
先に結論を書きますね。この作業は、想像していた3倍くらい手間がかかりました。 窓口で「今日はもう無理なので後日また来てください」と言われたこともあります。
そして、もうひとつ先に書いておきます。やってよかったです。 理由のひとつは、整理の途中で10年ほど前に開いたまま忘れていた証券口座が出てきたことでした。お金が入ったまま、私の記憶からだけ消えていたんです。
そしてもうひとつ。この作業がなぜ3倍かかったかというと、私が働きながらやったからです。窓口が開いている時間は、たいてい私が働いている時間と重なっています。動けるのは、仕事帰りの夕方か、シフトが休みの日だけでした。
この記事では、その「減らす作業」で実際に何が起きたかを書きます。手順の解説ではありません。働きながらやってみたらこうだったという記録です。
連携して最初に驚いたのは、忘れていた証券口座でした
家計簿アプリに銀行やカードを連携させたとき、私が一番驚いたのは支出ではありませんでした。
知らない口座が出てきたことです。
正確には、知らないのではなく忘れていた口座です。10年ほど前に開設して、そのまま存在ごと頭から抜け落ちていた証券口座がありました。しかも、お金が入ったままになっていました。
自分のお金なのに、自分が持っていることを忘れていた。
これは、家計簿が「使いすぎを反省するための道具」ではないと分かった瞬間でもありました。見えるようにすると、減らすべきものだけでなく、持っていたものも出てきます。
もし今、口座やカードの数を自分で言えない状態の方がいたら、一度全部つなげてみるだけでも意味があると思います。私は、探しに行ったわけではなく、つなげたら勝手に出てきました。
私がどうやって家計を「見える」状態にしたかは、こちらに書いています。
次に気づいたのは、カードの年会費でした
もうひとつ、連携して初めて分かったことがあります。
クレジットカードに年会費がかかっていました。
私は、自分の持っているカードは全部年会費無料だと思い込んでいました。作ったときにそう説明された記憶があったのか、単に確認していなかっただけなのか、今となっては分かりません。
ただ、明細の中に年に1度だけ現れるその引き落としは、手書きの家計簿では絶対に見つけられなかったと思います。毎月あるものではないし、レシートも出ません。カードを作ったのは何年も前で、そのときの書類ももう手元にありません。
1年に1回だけ、静かに出ていくお金。 これが、私が最初に「解約しよう」と決めたきっかけでした。
金額の大小の話ではなく、使っていないものにお金を払い続けていたという事実の方が、気持ち悪かったんです。
銀行は、対面の2つを解約しました
まず銀行から手をつけました。
当時の私は、給与が振り込まれる銀行と、引き落としに使う銀行が別々にあって、しかも複数ありました。だから給料日のあとに銀行を回る日が必要でした。
そこで、窓口のある銀行のうち2つを解約して、給与振込の銀行とネット銀行だけの形にしました。
今の構成はとてもシンプルです。ネット銀行なら残高も入出金もアプリで見られるので、そもそも行く必要がありません。
——ただ、この「解約する」という作業が、思っていたのとまったく違いました。
「今日はもう解約できません」と言われてからのこと
ここが、この記事で一番書きたかったところです。
ある銀行を解約しに窓口へ行ったときの話です。私は、通帳とカードを持っていけば10分で終わると思っていました。
ところが、順番にこうなりました。
1つ目。 その銀行に、当時積立の定期預金を持っていました。これも一緒に解約する必要があります。
2つ目。 手続きを進めていくと、その銀行で以前、証券口座も開設していたことが分かりました。私はすっかり忘れていました。そちらも解約しないと終わらない、と言われます。
3つ目。 その証券口座は、結婚する前に、当時住んでいた実家の近くの支店で作ったものでした。だから、いま来ている支店だけでは完結せず、その支店と連絡を取る必要があると言われました。
4つ目。 そして、私がその日窓口にいたのは15時近くでした。
これは私が寝坊したからではありません。仕事の都合で、その時間にしか行けなかったからです。窓口が開くのは平日の日中で、そこは私が働いている時間です。行けるとしたら、仕事が早く終わった日の帰りか、休みの日しかありません。
言われたのはこれです。
「もう閉まってしまうので、後日またお越しいただかないと解約できません。」
正直、そこで心が折れかけました。
働いている人にとって、「後日また来てください」は「もう一度、同じ調整をやり直してください」という意味です。次に窓口が開いている時間に動ける日はいつか。シフトを見て、家のことの段取りをつけて、また同じ場所へ行く。手続きそのものより、その調整の方が重いんです。
しかも、こういう用事は「そのうちやろう」と思った時点でだいたい終わります。私は何年もそうやって先延ばしにしてきました。
でも、ひとつ困ったことがありました。定期預金だけは、もう先に解約してしまっていたんです。
だから、こう伝えました。
「一緒に解約したいので、それなら定期預金を元に戻してほしいです。」
そうしたら——理由は今もよく分からないのですが、その日のうちに、証券口座と一緒に解約できました。
そのあと「手続きにとても時間がかかりますが」と言われたので、「それでも構わないので進めてください」と答えました。実際には、言われていたほど時間はかかりませんでした。
私はこの件で、銀行の対応が悪かったとは思っていません。そもそも自分が何を持っているか分かっていない状態で行った私の側の問題です。
ただ、ひとつだけ学びました。
「できません」と言われた時点で帰らなくてよかった。 困っていることをそのまま伝えたら、道が見つかることがあります。あのとき素直に帰っていたら、私はもう一度あの窓口に並んでいたはずです。
これから口座を整理する方に、実務的に伝えたいのはこの2つです。
- 時間に余裕を持って行くこと(私は15時近くに行って詰みかけました。仕事帰りに寄るつもりなら、その日は解約できない前提でいた方がいいです)
- その銀行で他に何を作ったか、思い出せる限り洗い出してから行くこと(定期、積立、証券、投資信託。昔のものほど忘れています)
クレジットカードは4枚解約して、1枚にしました
銀行と並行して、カードも減らしました。
私が解約したのは、ルミネカード、PayPayカード、ピアカード、セゾンカードなどです。家族カードもあったので、実際にはもっと複雑でした。
そして今は、1枚だけにしています。
なぜ減らせたかというと、連携して初めて「これ、もう使っていない」が見えたからです。財布に入っているカードは意識できますが、引き出しに入っているカードは意識できません。年に一度の年会費も、明細に並んで初めて気づきました。
1枚にして一番よかったのは、支出が1本の線になったことでした。カードが複数あると、家計簿アプリで見ても支払いがあちこちに散ります。1枚なら、そこを見れば終わりです。
解約ページは、たいてい分かりにくいところにあります
カードの解約も、銀行に負けず劣らず手間がかかりました。
正直に書きます。解約のページは、たいていとても分かりにくいところにあります。
トップページから素直にたどり着けることは、まずありませんでした。会員メニューの奥の方だったり、「よくある質問」の中のリンクだったり。
そして、たどり着いたあとにもうひとつ壁があります。表現が紛らわしいんです。
私が一番混乱したのは、「キャンセルをキャンセルする」みたいな言い回しでした。今、自分が解約に進んでいるのか、それとも解約をやめる方に進んでいるのか、読んでも分からなくなる。ボタンを押す前に何度も読み直しました。
これは、たぶん私だけではないと思います。入るのは一瞬で、やめるのは面倒。 その構造を体で理解したのが、このときでした。
だからこそ言えるのですが、解約は「気力があるうちにまとめてやる」のがいいです。1枚ずつ気が向いたときにやろうとすると、面倒さに負けて、そのまま持ち続けることになります。私は実際、そうやって何年も持ち続けていました。
特に、働きながらだと気力も時間も細切れになります。仕事から帰ってきた夜に、分かりにくい解約ページを探して、紛らわしい表現を読み解く——これは、やろうと思っても手が止まります。だから私は、まとまって動ける日にまとめて片づける形にしました。1枚ずつ丁寧にやろうとしない方が、結果的に終わります。
サブスクだけは、減らすのではなく「回して」います
ここまで「減らした話」を書いてきましたが、サブスクだけは違います。
正直に言って、サブスクは放っておくと増えます。 私も増えました。今も、油断すると増えます。
だから私は、表にして管理しています。何に入っていて、いくらで、いつ引き落とされるのか。頭の中に置いておくと確実に見失うので、書き出しています。
そのうえで、自分に課しているルールがひとつあります。
ひとつ入ったら、ひとつ止める。
新しく入りたいものが出てきたら、今入っているものの中から止めるものを決める。そういう形にしています。
それでも増えます。 正直に書きます。ルールを決めていても増えるので、定期的に見直す時間をとる必要があると思っています。ここは今も進行形の課題です。
残しているものもあります。我慢はしていません
最後に、これは書いておきたいことです。
私は、全部を削ったわけではありません。
今も続けていて、これは価値があると思っているものがあります。
- 家計簿アプリの有料版(無料版では家計の全体を把握できませんでした)
- YouTubeプレミアム
- 複数のファンクラブ——私はエンタメが好きなので、ここは必要だと思っています
特に最後のものは、削ろうと思えば真っ先に削れる項目です。生活には要りません。
でも、自分の気持ちが豊かになる分野は、私にとっては必要な支出です。ここを我慢して数字だけきれいにしても、たぶん長続きしません。
私が減らしたのは、気づかないうちに払っていたものでした。使っていない口座、使っていないカード、知らなかった年会費。価値を感じて払っているものは、残していいと思っています。
ただし——増えがちなのは、まさにこの「好きな分野」です。 だから見直しが要るのであって、やめるためではありません。
家計簿アプリを実際にどう使っているかは、こちらに詳しく書きました。
まとめ:減らす作業は面倒でしたが、一度やれば終わります
長くなったのでまとめます。
- 連携して最初に驚いたのは支出ではなく、10年ほど前に開いたまま忘れていた証券口座が出てきたことでした
- 次に気づいたのは、カードの年会費。年に1度しか動かないお金は、手で書く家計簿では見つけられません
- 窓口のある銀行を2つ解約し、給与振込の銀行+ネット銀行の形にしました
- 働きながらやるのが一番の壁でした。窓口が開いている時間は、私が働いている時間だからです
- 解約の窓口では、定期預金・忘れていた証券口座・遠方の支店・時間切れが重なって「後日また来てください」と言われました
- それでも困っていることをそのまま伝えたら、その日のうちに終わりました。「できません」で帰らなくてよかったです
- カードはルミネカード・PayPayカード・ピアカード・セゾンカードなどを解約して1枚に。支出が1本の線になりました
- 解約ページは分かりにくく、表現も紛らわしいです。気力のあるうちにまとめてやる方が結果的に早いです
- サブスクだけは減らしきれません。表で管理して「ひとつ入ったらひとつ止める」にしていますが、それでも増えます
- 好きな分野の支出は残しています。削ったのは、気づかずに払っていたものだけです
面倒な作業でしたが、一度やれば終わる作業でもありました。銀行巡りも、複数の明細を追いかける時間も、今はありません。
そして、この一連の整理は、私にとっては節約が目的ではありませんでした。お金の見通しが立たないままだと、働き方を選べないからです。
私が「どう働きたいか」を決めるまでの話は、こちらに書いています。
※この記事は、私自身が実際にやってきたことの記録です。銀行やカード会社の手続きは、会社や時期によって異なります。また私は専門家ではありませんので、解約や資産の扱いについては、ご自身の状況に合わせてご判断ください。


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