保険を6本かけていた私が、1本だけ残して解約した話|元本割れしても後悔はありません

お金・家計

保険に、6本入っていました。

自分の分が3本、主人の分が3本。生命保険、医療保険、がん保険、それから貯蓄型の終身保険。毎月まとまった金額が、当たり前のように口座から出ていっていました。

今、残っているのは1本だけです。

先に結論を書きます。解約したとき、戻ってきたお金は、それまでに払った金額より少なくなりました。 いわゆる元本割れです。それでも、解約してよかったと思っています。後悔は全くしていません。とてもスッキリして、逆に不安がなくなりました。

そしてもうひとつ、先に書いておきたいことがあります。「保険はいらない」と知ってから実際に解約するまでには、かなりの時間がかかりました。 すぐには踏み切れなかったんです。この記事で一番書きたいのは、実はそこです。

保険がいるかいらないかを説明する記事ではありません。いらないと分かっても解約できなかった私が、どうやって踏み切ったかの記録です。

気づいたら6本かけていました

まず、どうやって6本にもなったのかを書きます。

最初は、働き始めたときでした。 会社に入ったときに、会社から保険の紹介があって入りました。ごく安い掛け捨ての保険です。社会人になったら入るものなんだろう、くらいの気持ちだったと思います。

次に、友人のお姉さんの紹介で生命保険に入りました。返戻金が少しあるタイプだったと思いますが、当時の私に「これは貯蓄型の保険だ」という認識はありませんでした。

そして、郵便局でも入りました。定期預金が満期になったときのことです。「使う予定がないのであれば、保険に入ったら少し増えますよ」と言われて、そういうものかと思って入りました。

会社から。知人から。窓口で声をかけられて。

こうして並べてみると、どれも「保険に入ろう」と思って入ったものではありません。 目の前に出てきたものを、そのつど受け取っていました。

今から考えると、お金の知識がなかったことを後悔しています。ただ、当時の私に「調べてから決める」という発想があったかというと、正直なかったと思います。

自分から問い合わせた2回とも、聞きにいった1本では終わりませんでした

ここからが、6本になった本当の理由です。

私は2回だけ、自分から保険会社に連絡したことがあります。その2回とも、聞きにいった1本では終わりませんでした。

1回目は、学資保険でした。

子どものために学資保険に入ろうと思って、別の保険会社に問い合わせました。ところが話をしているうちに、なぜかそれまでかけていた保険の見直しが始まりました。 そして最終的に、学資保険には入らず、今までの保険を見直して入り直しただけで終わりました。

聞きにいったはずのものには入らないまま、契約だけが組み替わっていました。

2回目は、長割り終身でした。

ハガキが届いて、それを見て「掛け捨てじゃないんだ」と思ったんです。掛け捨てではない、つまり戻ってくるお金がある。それなら入ってみようと思って、担当者に連絡しました。

このときも同じでした。話しているうちに、生命保険や医療保険の見直しも提案されて、そちらも入り直すことになりました。

今回解約したのは、このとき入り直した保険です。それが5本。それに郵便局で入った1本を足して、合計6本でした。

保険会社が悪いという話をしたいのではありません。担当者の方は、そのときの私に良いと思うものを提案してくださったのだと思います。

ただ、事実として書いておきたいのは、保険は「1本入る」では終わらないことがあるということです。私は2回問い合わせて、2回とも、聞きにいったもの以外の契約を持って帰ってきました。

「保険はいらない」と知った日

考えが変わったきっかけは、友人でした。

その友人はお金の勉強をするコミュニティに入っていて、あるとき私に保険の話をしてきました。私は最初、正直あまりピンときていませんでした。

でもその友人に勧められて、本を読んだり、動画を見たりするようになりました。そこで初めて知ったんです。必要以上に保険をかけなくてもいいという考え方があるということを。

貯蓄型の保険は、貯蓄と保障が混ざっている分、コストが見えにくい。医療保険は、日本の公的な制度である程度カバーされる部分がある。そういう話でした。

知ったときは、少し呆然としました。私が何年も払い続けてきたものは何だったんだろう、と。

——でも、そこから解約するまでには、かなりの時間がかかりました。

それでも私は、すぐには解約できませんでした

ここが、この記事で一番書きたかったところです。

「保険はいらない」と知った日と、実際に解約した日は、まったく別の日でした。理由は3つあります。

1つめは、「もったいない」という気持ちでした。

貯蓄型の保険だったので、最後までかけ続けなければ、それまで払ってきた保険料が無駄になると思っていました。ここまで払ったのだから、ここでやめたら損をする。もったいない。そう考えると、どうしても手が止まりました。

今なら分かりますが、この「もったいない」は、これから先も払い続ける金額のほうを見ていない考え方でした。過去に払った分は、解約してもしなくても戻ってきません。それでも当時の私には、そこが一番の壁でした。

2つめは、実際に病気になったらどうしよう、という不安。

保険をやめるということは、何かあったときに自分で払うということです。もし入院することになったら。もし手術が必要になったら。その「もし」が怖くて、決められませんでした。

3つめは、貯金に余裕がなかったこと。

「保険をやめて貯金で備える」という考え方は理解できました。でも、その貯金がほとんどありませんでした。 しかも当時の私は、自分の家計が黒字なのか赤字なのかすら把握できていませんでした。

備えるための貯金がない。家計の状態も分からない。その状態で保険をやめるのは、ただ丸裸になるだけに思えたんです。

そしてもうひとつ。主人に話しても、そこまで納得して解約しようとはなりませんでした。 保険は家族のものでもあるので、私ひとりの気持ちだけでは動かせません。

こうして、しばらく解約できないままでいました。

踏み切れたのは、家計が見えたからでした

状況が変わったのは、家計簿アプリで家計を把握し始めてからです。

見えるようになって、はっきり分かったことがありました。支出が多い。そして、貯金できている金額があまりにも少なすぎる。

将来にとても不安を感じながら生活していることが、数字ではっきり出てしまったんです。

そのときに、もうひとつ気づきました。

この保険、いつまで払うんだろう。

契約を確認したら、60歳まで払い込むもの、70歳まで払い込むものが、それぞれありました。

これは、私にとって決定的でした。70歳まで保険料を払い続けるということは、70歳まで払える収入があり続けるということです。

私は働き続けたいと思っています。でも、70歳の自分が今と同じように働けるかどうかは、誰にも分かりません。 体のこともあります。仕事があるかどうかも分かりません。

そもそも70歳まで保険料を支払うなんて、無理があった。 今なら冷静にそう判断できます。契約したときの私は、その年齢の自分を想像すらしていませんでした。

先ほど書いた3つの不安が消えたわけではありません。ただ、「このまま払い続ける」という選択肢のほうが、はっきり無理だと分かったんです。

私がどうやって家計を「見える」状態にしたかは、こちらに書いています。

家計簿が続かない人へ。何冊も買って挫折した私が、書くのをやめたら把握できた話

使っているアプリの設定は、こちらに書きました。

マネーフォワードMEの使い方|無料版をすぐやめた私が、4年使って思うこと

手続きは、仕事が休みの平日に電話1本で終わりました

実際の手続きは、拍子抜けするほどあっさりしていました。腹さえ決まってしまえば、あとは割とスムーズでした。時間がかかったのは手続きではなく、決めるまでのほうです。

仕事が休みの平日に、電話で申し込みました。

平日にしたのは、単純に受付が平日しか開いていないからです。働いていると、平日の日中に電話をかけられる時間はほとんどありません。だから、休みの日にまとめてやるしかありませんでした。

このあたりは、口座やカードを解約したときとまったく同じでした。手続きの窓口が開いている時間は、たいてい私が働いている時間です。

スムーズだった理由は、はっきりしています。私には担当者がいなかったんです。

契約したときの担当者は退職していて、その後、誰にも引き継がれていませんでした。連絡する相手がいないので、保険会社に直接、解約したいと伝えるしかありませんでした。

今思えば、これが逆によかったと思っています。

保険を解約しようとして担当者に連絡すると、引き止められることが多いと聞きます。私も担当者がいたら、話しているうちにまた気持ちが揺れていたかもしれません。何しろ、自分から問い合わせた2回とも、聞きにいったもの以外の契約を持って帰ってきた私です。

実際には、引き止められることも、理由を聞かれることもありませんでした。

そして、戻ってきたお金は、それまでに払った金額より少なくなりました。

私が入っていた長割り終身は、払込が終わる前に解約すると、解約返戻金が低く抑えられる仕組みの保険でした。契約時の書類にもそう書いてあります。つまり私の元本割れは、事故でも失敗でもなく、仕組みどおりでした。

元本割れと聞くと損をしたように感じますが、私は今、こう思っています。

それまで払ってきた保険料は、家計を苦しくして、お金と心の余裕をなくすものでした。

戻ってきた金額の話ではなく、これ以上その状態を続けなくてよくなったことのほうが大きかったです。だから私は、解約してよかったと思っています。

⚠️ ひとつ書き添えておきます。同じ保険でも、契約した時期によって条件はまったく違います。 昔の契約のほうが有利な場合もあると言われています。私の判断が、そのまま他の方に当てはまるとは限りません。 契約内容は必ずご自身で確認してください。

1本だけ残しました。必要だからではなく、私が弱いからです

ここは、正直に書きます。

残した1本は、主人の掛け捨ての死亡保険です。

理由を、きれいに説明することができません。

子どもはもう育ちました。大きな死亡保障が必要な時期は、本当はもう終わっています。理屈で言えば、この1本もいらないはずです。

でも、主人が突然亡くなったらと考えると、不安になるんです。

これは合理的な判断ではありません。私の弱さです。

払込は60歳で終わりますし、解約返戻金のないタイプなので、解約しても戻ってくるお金はありません。他の貯蓄型のように「70歳まで払い続ける」わけでもない。だから残しました——という理由づけもできますが、本当のところは、怖いから解約していないだけです。

安心を買っているんだと思います。

安全ではなく、安心。そして安心は高くつきます。 それを分かったうえで、納得して払っています。

全部をきれいに切り落とした話にはなりませんでした。でも私は、これでいいと思っています。

火災保険と自動車保険は残しています

保険を全部やめたわけではありません。残す基準を決め直しました。

私が今、自分に置いている基準はこれです。

起こる確率は低いけれど、起こってしまったら人生が破綻するもの。それだけを保険で備える。

この基準で見ると、残るものがはっきりします。

火災保険と自動車保険は、今も入っています。 火事を起こしてしまったら。車で人を傷つけてしまったら。そのときに必要になる金額は、貯金でどうにかできる規模ではありません。 人生が破綻します。だから、ここは保険で備えます。

逆に、入院や通院は——もちろん大変ですが、貯金で備えられる範囲だと考えました。だから、その分は自分で貯めることにしました。

そして、地震保険は解約しました。

地震も「確率が低くて、起こったら破綻しうる」に当てはまります。だから迷いました。私が最後にやめると決めたのは、地震保険は、損害の全額が戻ってくる保険ではないと知ったからです。受け取れる金額には上限があり、被害の程度によって決まります。

そのうえで、私の場合は、払い続ける保険料に見合わないと判断しました。

これは私の判断で、地震保険が不要だという話ではありません。 住んでいる地域も、建物も、貯金の状況も人それぞれです。同じ基準で考えても、答えが逆になる方は当然いると思います。

浮いたお金には、行き先を決めました

保険をやめて、毎月出ていくお金が減りました。

ただ、減った分をそのまま生活費に溶かしてしまったら、意味がありません。 「保険をやめて貯金で備える」の、貯金のほうをやらなければ、ただ保障が減っただけになります。

なので、行き先を先に決めました。

ひとつは、ネット銀行の目的別口座です。 「入院」という名前の項目を作って、そこに毎月積み立てています。医療保険をやめた代わりに、自分で現金を貯めている形です。名前がついているので、他のことには使いません。

もうひとつは、NISAです。 保険料だった分の一部を、積立に回しています。

NISAをどうやって始めたか、最初に何を勘違いしたかは、こちらに書きました。

NISAが怖くて始められなかった私が、50代で積立を始めた話|「分散」を勘違いしていました

保険をやめたときに一番大事なのは、やめたことではなく、やめた分をどこに置き直すかだったと、今は思っています。

使っていない口座やカードを整理したときの話は、こちらに書きました。手続きの手間については、こちらのほうが具体的です。

使っていない銀行口座とクレジットカードを解約した話|手間は想像の3倍でした

まとめ:解約は、知った日ではなく、見えた日にできました

長くなったのでまとめます。

  • 保険に6本入っていました。会社の紹介、知人の紹介、郵便局の窓口——自分で探して入ったものはほとんどありませんでした
  • 自分から問い合わせた2回とも、聞きにいった1本では終わりませんでした。学資保険を聞きにいって入り直しただけで終わり、長割り終身を聞きにいって他の保険まで入り直しました
  • 「保険はいらない」と知っても、すぐには解約できませんでした。理由は①払った分が無駄になると思った ②病気になったら怖い ③備える貯金がなく、家計が黒字かも分かっていなかった、の3つです
  • 踏み切れたのは、家計が見えたからでした。貯金できている額が少なすぎたこと、そして60歳・70歳まで払い込む設計だと分かったことが決め手です
  • 70歳まで払い続けるということは、70歳まで払える収入があり続けるということ。働き続けたいと思っていても、そこまで同じように働ける保証はどこにもありません
  • 手続きは仕事が休みの平日に電話1本。窓口が開いている時間は、たいてい働いている時間です
  • 担当者はいませんでした。退職して引き継がれていなかったので、保険会社に直接連絡するしかなく、それが逆によかったと思っています
  • 元本割れしました。でもそれは仕組みどおりで、私にとっては「これ以上続けなくてよくなった」ほうが大きかったです。解約してよかったと思っています
  • 1本だけ残しています。必要だからではなく、怖いからです。安全ではなく安心を買っていて、それを承知で払っています
  • 火災保険と自動車保険は残し、地震保険はやめました。基準は「起こる確率は低いが、起こったら人生が破綻するもの」だけ備える、です
  • やめた分の行き先を先に決めました。「入院」という名前の口座への積立と、NISAです

保険に入ったこと自体は、正直、後悔しています。もっと早く知っていればとも思います。

でも、それを今言っても仕方がありません。これからどうするかを考えます。 そのために家計を見えるようにしたのだと思っています。

もし今、「解約したほうがいい気がするけれど踏み切れない」という状態の方がいたら、先に家計を見えるようにするほうが早いかもしれません。私は、保険の知識で決めたのではなく、自分の数字を見て決めました。

私が「どう働きたいか」を決めるまでの話は、こちらに書いています。

【50代の生き方】答えは「かっこよく働き続けたい」でした

※この記事は、私自身が実際にやってきたことの記録です。保険は、契約した時期・年齢・家族構成・健康状態によって、適した形がまったく変わります。同じ商品でも契約時期によって条件が異なります。私は専門家ではありませんので、解約や見直しについては、契約内容をご自身で確認のうえ、ご自身の状況に合わせてご判断ください。

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